[脳卒中診療情報]

急性期の脳卒中治療ネットワーク

発症3時間以内の脳梗塞に対して血栓溶解薬である遺伝子組換え組織プラスミノーゲン・アクチベーター(rt-PA)がやっと日本でも認可された。しかし使用を誤ると脳出血など重篤な後遺症が起こる危惧もあり日本脳卒中学会はrt-PAの使用に関して一定の条件を満たした施設のみでの使用を推奨している。今後このような治癒をめざした治療の恩恵に預かる患者をいかに増やせるかは地域特性を考えた脳卒中治療ネットワークの整備が急務である。離島など地域によっては脳卒中専門医が常勤としていないケースでは、遠隔医療を含めた脳卒中センターとの連携が必須の時代になったと言えよう。
 日本の現状を考えると地域ごとに一定基準を満たす大規模脳卒中センターと当番日を持つ地域の救急病院に併設した比較的零細なプライマリー脳卒中センターの2種類の施設を急性期脳卒中治療センターとして指定する。比較的小規模のセンターは通常の救急当番のように複数の施設で当番を回す。現状の問題点は専門施設間での連絡・協力関係がほとんどなく独立で運営している点であろう。広域地域単位で指定する大規模脳卒中センターは年間を通じて脳卒中救急を受け入れ、離島や周囲に専門医のいない救急病院からの画像転送やモニター上での遠隔からの診察を行い現場での治療か搬送を決めるのが望ましい。大規模脳卒中センターは公的補助金を受け周囲のプライマリー脳卒中センターの余裕がない業務をサポートするのが理想である。またこれまで以上に脳卒中センター施設間の交流を盛んにして相互でのセカンドオピニオン施設や回復期、維持期の施設とともにネットワークを作り治験や予防に関して脳卒中医療推進のセンターとして働く必要がある。

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慢性期・維持期を含めた脳卒中治療ネットワーク

脳卒中は超急性期治療から慢性期の永続的な後遺症に対するケアーまで含み、医療連携が最も必要な疾患の一つである。この医療連携は地域完結型の重要性が強調され、成功した地域を模範にさまざまな取り組みが各地で行われている。しかし地域の事情が異なることもあり、患者の視点で見た場合、満足できる連携の実現は容易でない。

地域の医療ネットワークは、急性期は救急隊と急性期脳卒中治療が可能な病院が中心となるが、回復期以降・慢性期・維持期はかかりつけ医師とリハビリケアを提供する施設や在宅サービスが中心となる。これに加えて町内会や自治会、老人会などの住民ネットワークも重要である。

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理想的な脳卒中診療における役割分担の内容

参考文献:井上勲.脳卒中治療ネットワークのあるべき姿とは. 循環器科 2005; 57(4)388-395

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